「テスコ上陸」で騒然、アメリカの食品小売市場

イギリス市場シェア、ナンバー・ワンのスーパー、テスコが米国市場に進出して、話題騒然だ。進出開始の拠点となっているのは、やはり米国におけるライフスタイル・トレンドの発信地であるここ、南カリフォルニア。私のオフィスから北東に車で30分くらいのところにも、進出第一波の店舗がオープンしたので、用事がてらちょっと足を運んでみた。

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世界最大の有機/自然食品スーパー、ホール・フーズ・マーケットなどに代表されるライフスタイル・リテーラーについては長年研究してきているが、テスコがアメリカで展開している店舗、「フレッシュ・アンド・イージー」は、私が慣れ親しんできたいわゆるライフスタイル・リテーラーとも一味違う新しい感覚でつくられた店舗だ。いろいろなアイデアが次々と登場して実験されているアメリカの食品小売市場でも、こういう店舗はまだなく、その新鮮さにはっとさせられた。

店舗に足を踏み入れたときの第一印象は、「え、これが・・・?」と意表をつかれる感じ。いかにもヨーロッパ風の洒落た店舗のつくりを想像していたのだが、店内は簡素きわまりない。画一的な什器の上に商品が箱に詰められたまま並んでいて、フロアーにはディスプレイ・パレットもなく、POS表示もミニマムで、良く言えば整然とした、悪く言えば殺風景な感じだ。

しかし、商品を眺めながら、店の中を回っているうちに、テスコの世界にいつの間にか引き込まれていった。店舗空間そのものは機能性一点ばりなのだが、商品は徹底的にライフスタイル志向なのだ。品揃えはアメリカのスーパーの常識では考えられないほどプライベート・ブランド重視で、パッケージもデザイン性に溢れていてとにかく魅力的だ。「買い物をする」という目的で行ったわけでもないのだが、あれもこれも、と夢中になり、気がついたら買い物カゴが一杯になっていた。

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アメリカの食品小売市場は、ウォルマートのスーパーセンターや、ホール・フーズ・マーケットなど新フォーマットの台頭でシェアを脅かされた従来型スーパーが、生き残りの方策と成長の突破口を求めて試行錯誤している激戦市場だ。そこに、ヨーロッパからテスコという新しい波が押し寄せ、この市場にまた大きな渦が巻き起こる予感がする。ヘルシーとエコを前面に押し出した価値提案も、昨今のアメリカの世論にマッチしていて流行りそうだ。今後の動きから目が離せない。

石塚しのぶ


09 : 44 : 06 | 米国ビジネス | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑ | ブックマークに追加する
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25年間にわたり、ロサンゼルスを拠点とし、日米間ビジネスのコンサルタントとして数々の日米間プロジェクトに携わってきました。

クライアント企業のニーズをベースに、「成長のネクスト・ステージ」につながる実践的ソリューションの提供をモットーとしています。

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